秒針とのコンポジション/前方後円墳
掛けたほうがいいのかもしれない
と
(ああ また嘘をついています)
(?)
わたしの電車はまだきません
きれぎれの線路の
どこかの
まだ動かない電車です
プラットホームをトンネルが通り過ぎると
時化た空と凪いだ海が
青白い顔でわたしを見ています
息は風景に溶けていくのに
わたしはいつまでもそのままでいるのです
真昼に呑み込まれてしまいたいのに
(?)
冬の番の州にわたしを連れてきて
海を見せてやると
広く どこまでも遠く
何もないところまで還してほしいと
ネジを巻き始めるのです
誰も知らない父が
誰もいない
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