健司の日常/MOJO
 
をする意思はなくなっていて、バスには乗らない。そのまま立ち尽くし、行き交う車たちを呆けて眺めている健司。10分もそうしてから、重い足取りでアパートに戻り、自転車に跨り、駅へ向かう。駅前のTSUTAYAに入店し、発作を緩和させるためのDVDを物色する。しばらく棚を眺め、しかし結局何も借りずに店の外に出てしまう。隣のコンビニで最廉価のタバコ、エコーを買う。生活保護を受ける身になってから、タバコは止めたはずだが、いつの間にやらまた吸うようになっている。エコーを吸いながら自転車を漕ぐ。交差点で止まる。信号が青に変わってもそのままそこに留まって、またしても行き交う車たちを眺める。ビッツやマーチが走り去る。小
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