主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。/とうどうせいら
 
たものは
しょうがないじゃないか
命に感謝して
最後まで食べよう

わたしは
悲しかったけど
オオアリクイが

君はほんとうはいい子だ

って大きな手で
頭を
くりかえし
くりかえし
くりかえし
なでなで
すると

なんだかわからないけど
そんなもんかもしれない
気が
してきて

オオアリクイが
よそってくれた
二杯目を
受け取ってしまった

もしかしたら
昼間
書類を書いていた
て かもしれないし

ゆうべ
まどろみの中で見た
まるいせなか かもしれないし

一本一本
愛撫したゆびのついた
あのあし かもしれないし
[次のページ]
戻る   Point(24)