主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。/とうどうせいら
たものは
しょうがないじゃないか
命に感謝して
最後まで食べよう
わたしは
悲しかったけど
オオアリクイが
君はほんとうはいい子だ
って大きな手で
頭を
くりかえし
くりかえし
くりかえし
なでなで
すると
なんだかわからないけど
そんなもんかもしれない
気が
してきて
オオアリクイが
よそってくれた
二杯目を
受け取ってしまった
もしかしたら
昼間
書類を書いていた
て かもしれないし
ゆうべ
まどろみの中で見た
まるいせなか かもしれないし
一本一本
愛撫したゆびのついた
あのあし かもしれないし
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