夜の子供たち/atsuchan69
 
のばした。左腕が理沙の頭に敷かれている。手探りで右手の中指が紙箱に触れた。
「それって俺と一緒になりたくないって意味だろ。遠まわしの」
「ちがうよ」
「どうしてさ。そういう意味じゃないか」
 僕は左腕をぬくと彼女に背を向けた。
「理沙の気持ち、ちっとも解かってない」
「ああ。わからない」起き上がり、タバコに火をともした。
「理沙は自分勝手にカズちゃんを独り占めしようとは思わないもの」
「愛し合うって、いつもお互いが一緒にいたいって感じることだろ?」
 僕は首だけ向けた。
「感じてるよ、いつもいつも。でもカズちゃんとは育ちが違いすぎるし・・・・。年だってカズちゃん、若すぎるわ。結
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