プールサイドにて/三州生桑
「いいの、いいの！」
ここには三種類のプールがある。
すべり台がある小学生以下用プール。
中学生以下用の二十五メートルプール。
そして高校生以上だけが使用できる五十メートルプール。
五十メートルプールは、贅沢にも、私が独占してゐた。
他の二つは、子供と家族連れで芋を洗ふやうな騒ぎである。
「でも、ここは大人用だよ」
「いいの、いいの！ 前にも入ったから」
少女は、何のためらひも無く飛び込んでくる。
ヒヤッとした。ここの水深は、私の背丈と同じなのだ。
少女はプールサイドに手を置き、元気良くバタ脚の練習を始める。
可愛らしいお尻が、水面にポッカリと浮かんでゐる。
私は
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