聖フランチェスコについて/ジム・プリマス
 
てゆき、しまいには彼のことをきちがい扱いしていた町の人々もフランチェスコの仕事を手伝うようになりました。
 
 町のレンガ職人たちはフランチェスコが積み重ねた、拙い石組みの上に漆喰をぬり、大工たちは、その石組みの上に屋根を葺き、そして町のおかみさんたちは、娘たちにも手伝わせて、天幕を縫いました。
 そして、それは小さく、決して立派なことはありませんでしたが、教会らしきものが出来上がっていったのです。
 そしてフランチェスコを中心にして町の人々は、その教会に集まっては、いろんな話をしたり、聖書を読んだりするようになりました。いつしかフランチェスコと町の人々が建てた教会は町の人々の憩いの場にな
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