聖フランチェスコについて/ジム・プリマス
フランチェスコは雨の日も、風の日も、まるで子供が積み木遊びをするように、石を積み重ね続けました。彼の仲間たちは、ことあるごとに彼に商人である父親の後を継いで、ふつうの生活に戻るように説得を繰り返しましたが、フランチェスコはそれを意に返そうとはしませんでした。
彼の仲間たちは、何度もフランチェスコの元を訪ねるうち、彼が本当に楽しそうに石を積み重ねている姿を見ているうちに、何故か、次第にフランチェスカの仕事を手伝いたくなっている自分自身の想いに気づきました。そして自然に彼の仲間たちは自分の仕事の合間を縫っては、フランチェスコの仕事を手伝うようになりました。そして、一人、二人とその数が増えてゆ
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