聖フランチェスコについて/ジム・プリマス
 
 聖フランチェスコはイタリアの裕福な商人の子として生まれました。
 フランチェスコが青年になったとき、キリスト教の聖地、エルサレムがイスラム教徒に奪われたために、ローマ法王の命により、エルサレム奪還のために十字軍が編成され、ヨーロッパ各国はエルサレムへと軍を派遣しました。
 騎士にあこがれていた若く多感なフランチェスカは理想に燃え、十字軍の遠征に加わり、エルサレムへとむかいました。しかし、戦場に着いたとき、フランチェスコの目に映ったのは、理想とははるかに隔たった、戦争という悲惨な現実でした。
 疲弊した兵士、次々と傷ついては死んでゆく仲間たち、そして飢えと渇きによる略奪、疫病の蔓延、女性への
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