電車の中でも暑さは変わらない/海月
、同じぐらいの年齢の男性と中年半ば過ぎぐらいのおばさんがいた。僕は、男性の演技をよく観察してみた。「早く、退けよ。お前は俺より仕事してしてないんだから、退けよ。今日ずっと外回りの仕事だったんだぞ。分かっているのか?」男性の演技は、酷く薄汚れたものだった。見るに耐えなくて、おばさんの演技を見つめてみた。「息子は、どうしてあんな風になってしまったの?浪人生活でしっかり勉強してみると思ったら、なんて言ったけ・・・エロゲー?をしてるんなんて・・・帰ったらおとうさんになんて言えば良いのかしら・・・」おばさんの演技は、それなりの出来栄えだった。共感を得るには、十分と言えた。それでも、ずっと聴いていたいとは、と
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