吊られた葉っぱ/加藤泰清
 
むのら いつまで経っても明日に移行する気配が無い。
 五月二日 晴れるや 「Y氏に捧ぐ(苗字)」ゆるやかな雨だれらのすぐ傍を通り抜け、あたら若い命を空から放ってしまった。いい気味だ。「よしし氏に捧ぐ(仇名)」よくも私の家に火を点けたね。だから僕は君にガソリンを掛け、我輩はライターを投げ込んだ。君はすぐさま足元の水溜まりに飛び込んで、助かってしまったよね。実はそれは、小生が用意した小生にほんの少し残っていた良心だったんだ。「territory」「君が見た私の脱糞で、私の全てがわかったと申されるか」「少なくとも、わかった」いじらしくもその言葉を信用してしまう私が愛しい。五月三日晴れ五月四日晴れ五月五
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