吊られた葉っぱ/加藤泰清
 
工された墓石が青い草原を埋めつくしている。二階から小便を撒き散らすと、聖水、聖水、と聡子が喜んで口にする液体と、私の唯一の天敵である太陽光とが複雑に交わされ、彼らはあたかも虹を引き起こした。晴れるや。私は「人権」について、その場で演説した。「人権とは弱者の為にあるんだああああ。だからお前らは何してもいいよ」人々は間抜け声、だと嘲笑した。絶対にした。私は聖水を、ちょろ、と撒いた。散っていく人々を尻目に、虹は申し訳なさげに隣山へ渡った。聡子が飛び降りた。幸い怪我はなかった。私以外が聡子を傷つけることを私は許さない。五月一日晴れ <Nowadays>

3・タキシードを
  最終証明の
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