至高聖所/山本 聖
し脊椎の彎曲に沿って登りはじめ頸周りを一周した後分裂して意味を成さなくなった言葉の断片一つ一つが軟体動物となり鼻の穴からナメクジみたいに再び私の内部に入り込み脳に達してニューロンと仲良く遊んでそして私自身の脳を壊す努力を惜しまないのだ
水槽に頭を突っ込んだまま夕陽色をした魚が食欲を発揮し海草のようにばかげた私の髪を啄ばんでいる間にも天井に空いた小さな穴を通じて彼女の追伸が私の背中の上に堕ちてくる
彼女曰く自らの頭を溺れさせる前にあなたのその珊瑚の出産のように生まれては消える言葉の泡をなんとかしてくれないかワタシはいつまでもあなたより高いところで待っているのにいつまで経っても珊瑚の子は天井裏まで
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