銀色の夏に生まれて/窪ワタル
った町に、当時としてはかなり立派な図書館が新設され、それまで読みたくても読めなかった「現代詩文庫」や、様々な詩誌を読めるようになった。私は、その図書館に足しげく通い。分らないながらも、様々な作品に当たることになった。宝探しのように、どうにか読めるものを見つけては、気に入ったものや、心に引っ掛かったものを読み返すと云う風に「詩」に触れて行くのは、疲れもしたが、それなりに愉しい遊びでもあった。ほどなく、私は、何とか、自分が書きたいのは「現代詩」だと自覚することが出来たのだった。もう「詩とメルヘン」の熱心な読者ではなくなり、代わりに、何とか読める作品を手がかりに、図書館にあった詩誌を読み比べ、一番読み易
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)