銀色の夏に生まれて/窪ワタル
と驚くから。」と教えてくださった。後にこの二冊は、私にとって大切な本となる。
卵さんの予言通り、入沢康夫氏の著作は、私を大変驚かせるのだが、その話は長くなるので割愛することにするが、教えて下さった卵さんに未だに深く感謝している。
姉が、銀色夏生氏の熱烈な愛読者で、当時発刊されていた詩集は殆ど持っていたせいで、私も何冊か捲ってみたのが、これが「ポエム」から脱皮する糸口になった。
はっきり云って、私は銀色夏生氏の作品が大嫌いだった。こんなもんは金を出して読む価値はないとさえおもっていた。思春期の私は、当時から、田舎の小さな書店でも手に入るほど売れていた彼女の作品を、全身で嫌悪していたのだ
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