ROREPME/腰抜け若鶏
鹿な奴等は用済みだ。俺はここに新しい国を作る」
偶然見つけた古びた空き家が彼の新しいお城
「さあ新しい俺の王国に住みたい奴は頭を下げにやってこい」
しかし、いつまで経ってもやってこない
一週間、一ヶ月、一年・・・
暴君は身も心もすっかりやつれ果て
ついに病気になった
けれども彼の看病をしてくれる人なんて・・・
突然涙が溢れてきて
嗚咽がこみ上げてきて
こらえきれなくて
誰かの気配
ゆっくりと体を起こすと
そこには自分と同じようにボロボロになった犬っころ
見覚えがあった
彼がまだみんなから王と呼ばれていた時
気まぐれで一度だけ世話をした仔犬
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