雨の群れ/緑茶塵
 
も仕入れたばかりの高い花蹴倒して、慌てていました
服屋に客が入り店がにぎやかなときも、そんな兄の顔見てしまうと、どうしてこう気が滅入るのです

兄に来た嫁がなんともまた私の神経を逆撫でするような人で、そしてその事を兄も兄の嫁もまったく頓着もせず、子供もそろえて和やかにしているのが又たまらないのです

雨、一向に止む気配無く
夕方に向けて酷く、じょーらんじょーらん
滝のような雨

兄、酷く慌てて店を出る

時は夕刻過ぎて、しばし雲も切れる事、じょーらんじょーらん

花屋の店番がビニール屋根を巻き取って、雲間にさす夕方の光が照らす

じょーらんじょーらん

定刻になっ
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