月を抱く/千月 話子
 

月子を 想う


 朝焼けに燃え尽くされて 空
 昼に睨まれ薄ぼんやりと 月の亡霊
 内包された水の溢れて 温度の違う
 寒晴天 丸く凍えて


凍えては抱き 凍えては抱く日々に
出会った月子は七人で
心根の違うお前達の
顔はやはり 光り消えて


熱く揺れて 上から見下ろす
上弦の三日月のような 心強い月子

あなただけと 切なく触れる
上弦の半月のような しとやかな月子

何度も何度もと 波を欲しがる
上弦の四分の三月のような 貞淑がそそる月子

世界中の母の微笑を 世界中に翳す
満月のような おおらかな月子

暖かい腕が 温かい家庭
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