コメディに関する考察/角田寿星
 
冒頭に、小松左京が文を寄せていた。「石森氏のマンガは正統的なスラップスティック・コメディである」という内容。
興味深いので要約してみようっと(手許にないので、うろ覚え)。

日本では今一つ正統派コメディが育たない。人を人とも思わないような、キートンやマルクス兄弟に代表されるようなスラップスティックが、日本ではいつの間にか角がとれてしまって、やんわり泣き笑いの人情劇になってしまうことしばしばである。

小松さんはこの原因を「日本では芸能を『目出度さ』と関連づけることが多いからではなかろうか」と分析していた。
海の向こうでエスプリかましてるヤローどもは、そしたら芸能をどんな位置付けで観てる
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