コメディに関する考察/角田寿星
詩を思いついた。わりといいコメディというかパロディというか、いいセンいきそうな予感があった。
導入部はこうだ。
仕事から疲れて帰ってきたら、家が米軍に誤爆されてた。こどもたちは真っ黒になってススみたいにゆらゆら揺れて「パパー」と出迎えた…。
書けなかった。どうしても書けなかった。
たとえフィクションであっても、たいせつな家族をコワすような描写はひとことたりとも表せなかった。
詩人の想像力には、思わぬ、しかもとてつもない足枷が備えられているんじゃなかろか、と思った瞬間。
(その4)
古いマンガを読んでいた。
石森章太郎の『となりのたまげ太くん』の冒頭
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