水死体が歌うバラッド/金槌海豚
を振り
ぴちゃぴちゃとこぼれる泥水を舐めながら 舌を打ち鳴らす
「いつも変わらぬ日課のように
今朝の窓辺に花を置く
昨日の花もまた一昨日の花も
そこに置かれて萎れているが
あなたはきっとカバンを持って
お出かけ中と思いたい」
「今日から大事なお客様を
私のお部屋へお招きして
楽しい休暇を過ごしましょう
その間、ほんのひととき
ガラスをつつく音の聞こえぬよう
カーテンを幾重にも閉めておきましょう」
泥水に満たされた肺腑いっぱいに 息を吸
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