ヒロシと寿司と母ちゃんと(吉沢やすみ『ど根性ガエル』)/角田寿星
かもタダで食わせる。ヒロシもまた遠慮すりゃいいのに、バクバク寿司を食う。ピョン吉もバクバク食う…カエルのくせに(笑)。
こんな事やってりゃあ宝寿司ツブれるし、梅さんクビになってるよなー、と普通は思うんですが…もっと解せないことがあるんです。
昭和40年代って、寿司ってーのは、なかなか食べられない高級品だったんですよ。現在みたいに回転寿司や小僧寿司がバンバンあるような時代じゃなかったんです。現に当時の石神井には、寿司屋は2軒しかなかったそうです。
宝寿司ってのは小さな店です。カウンター数席の奥に座敷が2、3席ある程度で、おそらく本当は大将ひとりで事足りるくらいの店でしょう。それなのに、将来とう
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