【批評ギルド】 『愛の22』 瓜田タカヤ/Monk
 
できなかった。ずっと遠
くに離れてしまった。距離のことを考えると悲しくなってしまう。
愛はそんなところにあった。距離は遠く離れてしまってあとは忘れ
てしまうだけのそんな位置に愛はあった。どんどん忘れていくよ。
すでに新しい身体を手に入れて性能は格段によくなったがもう昔の
僕ではなくなったよ。いらないものはどんどん忘れていくよ。いら
ないのだろうか。

ねえそこのニイサン!
いや、いらない。それはいらない。母さん、次々と新たなセックス
産業が僕を塗って塗って塗ってゆくよ。大量のニシン風呂の中の女
たちに欲情していくよ。ニシンの躍動にも。この間、接待で行った
んだ。金持ちの考え
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