夏の朝ははやばやと起きて/なを
 
こころのなかで笑って居たの
Mは膝を出すぶかっこうな服を着てあまいべたべたした飲みものや
食べものをそのうえにこぼすから
わたしはハンカチを貸してやるんだけれど
どうせ汚すことがわかってるのにどうして
白いシャツを着た日にケチャップのかかったオムライスなんかたべるの
バカなこども、とおもって
こころの底から嫌になって それから
わたしたちがならんでそとを眺めていると
わかれみちの木にはいっぱいに花が咲いて居て枝には幽霊がすずなりになって居て
なんて綺麗
なんて綺麗
綺麗だねえとMが阿呆(あほう)の子のように笑うから
そのやわらかい頬を眺めて
そのとき
わたしおも
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