浸透と破水/キキ氏の作品について/渡邉建志
れる散文)、
ひとつ。
横たわったままの夜をすごして、あくる日には背びれが生えて夏の庭
にも睡れんが、
あまりに揺れるので手をさしだした。指にはもう爪がないので、わたし
は誰にも責められることはなかった。何もない。君の顔。濁った眼のま
ま浮きつ回りつ、
空が映るのですね
たとえばここの、
睡れんが、
あまりに揺れるので
この凍った時間!凍らせる前におく言葉がその時間でイメージを保ち続けるのだ。そしてそこに選ばれた「睡れん」ということば。
それから、長い息で読まれる場所と、
{引用=
横たわったままの夜をすごして、あくる
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