彼女という人は/Monk
くないの」と言いました。
「それでいいと思うよ」と僕は言いました。
その次の週とさらに次の週には彼女の呼び出しはありませんでした。
僕は返してほしい本があったので何度か電話してみたのですが
一度もその電話はつながることがなく、少し残念な気もしましたが
彼女にもいろいろあるんだろうな、と思いました。
雨降りの日曜日
彼女はいつもまとめている髪をすっかりほどいてしまい
「あたしはもう、何も書きたくないの」と言いました。
僕には何も言えませんでした。
彼女の左手のフォークにはいつもの勢いもなくて
レタスやトマトもなんだか気の抜けたように見えました。
そしてその週は
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