梓野玉扱キ家物語/加藤泰清
 




              いじ・る いぢる 2【▼弄る】(動ラ五[
              四])〔歴史的仮名遣い「いじる」とする説
              もある〕(1)(必要もないのに)さわったり、
              動かしたりする。もてあそぶ。「羽織のひも



        っ、旦那様いけませぬ。そんなことをなさっ
        ては。ああん。ああっ。やめて、旦那様。そ



でゆけ。腐ってゆけ。私を弄んだ罰だ。前
田は汚らわしいあの出目金のような両目を
恨めしそうに私に向けるのだ。踏み潰して
やろうかとも思ったが、私は
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