大福餅秘話/大覚アキラ
いう穏やかでない言葉ばかりが耳について、もう気が気ではない。
汗だくになって、なんとか無事に接続を終え、小太りスキンヘッドに伝票を渡す。とりあえず深々と頭を下げて、逃げるように帰ろうとするぼくの背中に、小太りスキンヘッドが「にいちゃん、ちょっと待ちぃな」と声をかけた。
振り返ったぼくの目の前に差し出されたのは、大福餅の乗った皿だった。
「食べてんか」
ぼくは甘いものは好きなほうだが、呑気に大福餅を食べて談笑できる状況ではなかったので、適当なことを言ってその場を切りぬけようと考えた。
「すんません、ちょっと、苦手なんすよ・・・」
「ん〜?食べぇな、そない言わんと」
笑み
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