掌/
蝶番 灯
誰かを苦悶させている事に気付いた
誰かを歓ばせる事もなく
誰かを悲しませているだけで
意味の無い生命を
意味も無く維持していたんだ
掌が震えたらお水はもっとなくなってしまう
「哀しむな」
「こわい こわい かなしい くるしい
だれか だれか ここへ、 きて」
気が付けばもう孤立していた
周りには何も無かった
在るとすれば憂いだろう
また 今 誰かが手を離した
叫びもとうに届かない
涙の粒がお水に溶けても変わりません
ああ もうすぐ
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