シノギ/捨て彦
 
ながら、道を歩いてますのは、何も遊びでふらふらしてるのんやないんでして。ほな何をしてんのやと申しますと、まあ、いわゆるシノギの回収ですな。ヤクザ屋さんというのは、そうやって稼いでおるんでして、今日もこうやってぼちぼち今月のシノギを貰いに回ってるわけです。で、すっくり日も暮れて自分のシマもあらかた回ってしまい、最後はジャンジャン町の近所にあるスマートボール屋に着きました。



「おう。」
「あ、こらサダさんとマサさん。どうも、お世話になっとりま」
「ほんまに、この店はいつ来ても景気が良さそうやのぉ」
「いやいや、そうでもないですが。こんなチンケなことやって、小金稼ぐんが関の山ですわ」
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