長い詩/チャオ
りしか見えない。迷惑な電話だ・・・。
外で、大きな音がする・・・・
すると、警報が鳴った。
ムツゴロウは見た。明かりという明かりがともされるときを。甲高い音が鳴らされると、明かりという明かりがともされたのだ。その間も、波は次々とあらゆるものを飲み込んだ。
少年が思い出した記憶。ムツゴロウが思い浮かべる記憶。
恋人へ死を告げる電話。両親へ無事を告げる電話。
死んでいくものと、生き残るもの。
呪われるものと、危機にさらされるもの。
くたびれた生活と、驚きに満ちた生活。
百姓は今も百姓だ。ムツゴロウは、陸地で息を引き取った。
呪われた運転手は次の日、交通事故で大怪我を
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