時間の迷子たち/後期
 
辺では、年老いた画家が昨日の午後三時の静けさを描く。
描いた絵の中で、椅子の影に眠る猫が目を覚まし、窓の外の街灯と瞬きを合わせる。
その瞬間、画家の手が止まり、思いがけないインスピレーションが胸を満たす。
静けさは、彼の人生をほんの少しだけ前に押す風のようだった。

駅前の通りでは、若い男がまだ来ていない朝の光を追って歩く。
拾った朝の欠片は虹色に輝き、彼の足元を照らす。
通りすがる人々の靴音が微かに変調し、男は知らず知らず微笑む。
その光は、遠くにいる誰かの心にも届き、無意識のうちに優しい決断を促す。

商店街では、小さな時計屋の娘が、落ちていた午後四時の影を拾う。
影を指
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