消えない一行/後期
 


朝、机に向かうと、原稿用紙の中央に一行だけ書かれていた。

「昨日の夜、あなたは誰かを見た。」

私はそれを消した。
理由は特にない。ただ、そこにある必要を感じなかったからだ。

しかし消し終えて顔を上げると、同じ一行がまた現れていた。

少し考えたが、再び消した。
また現れた。

三度目に消したとき、私はようやく、この作業には終わりがないのではないかと思い始めた。だが、それでも消すことをやめる理由にはならなかった。そこに書かれているのは、どうしても見過ごせない文章だったからだ。

昼頃になると、郵便が届いた。
役所からの通知だった。

封筒を開けると、紙
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