小説の習作 原稿用紙三頁 #23/田中教平
 
を、歯には歯を、という事だ。
 この倫理観はキリストによって明確に否定されている事だ。例の、片方の頬を殴られたらもう片方の頬を差しだしなさい、というのは例え話であって、民族間の争いなどで、例えば害を与えられた場合、その報復をしてはその連鎖は続くばかりであるし、他者も巻き込んで、全く問題に関係の無い人間が害を受ける場合も想定された。そもそも、害を与える前に、隣人を愛せ、と言っているが、問題が発生しても、絶対に報復してはいけない原則をキリストは訴えていたのである。2000年位前に。
 しかしカナの場合、キリスト教系の学校に進学していた筈であるが、感情面から実際問題、この倫理観を受容できていない側面
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