小説の習作 原稿用紙三頁/田中教平
っしょに外に出たのだ。
しかし彼は十メートルくらい歩いた所で、膝が痛くなってしまった。そして三月の初めである。外は未だ寒い。カナ、彼女は
「寒いから自宅に帰って着替え直してくる」と言った。
ユウスケはじっと下を向くと、何もかもがおっくうになってしまった。二人、自宅に帰ると彼はそのまま、ベッドに潜り込み、カナ、彼女は一人でドラッグストアに向かう事になったのである。
それにしても、眼鏡がない。
はて?彼は考えこみ、浴室の窓際、洗面所、ノートパソコンの上、と思いつく限りの場所を捜してまわった。
実はこのとき、彼は久しぶりの乱視の強い裸眼で見る光景を愉しんでいたのである。
そして、じぶ
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