小説の習作 原稿用紙三頁 #15/田中教平
 
、じゃあ買ってあげるよ」
 ユウスケはコンビニの前で妻の買い物が終わるのを待ちながら、懐から一枚のパンフレットを開いて見た。
 それは六所良邑(ろくしょよしさと)という人物について迫る説明書きが成されたパンフレットだった。
 元は僧侶だった人物である。しかし彼は明治政府による神仏分離政策の影響で還俗する道を選ぶ。つまりは神職の身である事を選択した。更には教導職に就き、さらには地域の有力者になった、一宗教者であった、とある。
 明治維新という社会構造の変化、そして支配体制の元で、近代化の荒波をどう乗り越えていったのか。
 受動的に、つまり、そうあるべくして、神官の道を選んだのか、緊張感の高
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