ショート・カット/ホロウ・シカエルボク
 
聴き通すことが出来た、イヤホンを外して立ち上がり、空が少し曇っていることに気が付いた、隣近所の県では雪が降っているらしい、その影響がこちらにも押し寄せているのだ、家に帰ろうと俺は思った、歩いているとなぜだか子供の頃のことを沢山思い出した、古い曲を聴いたせいかもしれない、あるいは、身内のほとんどが居なくなってしまったからかもしれない、とある父親と母親が作った三人の子供たちは誰一人まともに育って血を残すことが出来なかった、一人は詩人で一人は引きこもりで一人は精神病院から出られない、そんな人生でも続きがあるだけマシなのだろう、人生の価値を決めるのは自分以外の誰かじゃない、そんな人生の中で何を残すことが出
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