ショート・カット/ホロウ・シカエルボク
けて来る、それは神のみぞ知ることだ、と俺は思ったけれど、あの老人だってそのことは俺よりもずっと深く理解していることだろう、人はなにもかも手にしているようで、意外と何も手にしていないものなのだ、本屋によってポール・オースターの新しい文庫を買う、そんなにリアクションは良くないらしい、受け取るばかりの連中はいつだって、そいつがまた代表作みたいなものを書いてくれると信じていて、それ以外のものは文字を追うばかりでまともに読んじゃいない、そして作家たちは、他人のことを自分で決められると思い込んでいる連中の為になど文字を綴りはしない、悪循環だけど、それでも何も回らないよりはずっといいのかもしれない、ふと黒いアゲ
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