「あなたはまごころを忘れていませんか?」まごころを失ってしまいそうな現代日本を神の視点で描く、大人の.../ジム・プリマス
 

個賠屋を営む者にとって品物の査定額は絶対だ。たとえ、お客の容姿がどうであろうとそれは関係ない。

輪厄子に感化されているとは言え、この売り場の大学バイトも、主婦パート達も、輪厄子自身も、この初老の客の持ち込む商品は査定額を下げても良いのだという空気が、いつの間にか、醸成されていて、誰も異論をさしはさむモノはいなかった。

食い詰めてみすぼらしい初老の男に、不快感をもつのは当然だと思う、読者のほうが多いのではないかと思う。輪厄子に同情的な人も居て当然だとも思う。

「差阿津播輪厄子」の場合 3


 輪厄子にしてみれば、やに臭くて後始末に困る商品を持ち込む、困った客をこらしめて
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