映画『PERFECT DAYS』──あるいは安全な賭け/中田満帆
 
を通して曝かれたのは、わたしのヴェンダースへの過剰な期待であったことは否めない。

 しかも、それは数年前に観た『誰のせいでもない』で、すでに砕かれたものだった。かれの絵づくりや写真に於けるセンス、文章に於けるセンス、それらが好きだからこそ、作劇や描写に曖昧さや、雑味といったものが感じられ、舌触りがわるくおもえる。しかし、これはもしかしたら、もしかしたらで、かれの描く「アメリカ」にだって充分あり得る現象なのだ。ただ単にわたしがアメリカ人を知らないせいで、かの国のひとは『パリ、テキサス』や『ランド・オブ・プレンティ』に違和感を憶えているのかも知れない。こればかりはアメリカ人の生の批評を読まないか
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