映画『PERFECT DAYS』──あるいは安全な賭け/中田満帆
 
いかぎりわからない。

 しかし、おもうのは劇場にいって期待するのはたかが人生以上のもので、たかが人生以内のなにかではないのだ。冒険と詩学を失った風景を観ることで、実人生とはべつの経験することはできない。翼なしでは飛べないのである。
 『ベルリン・天使の詩』には翼があった。『パリ、テキサス』には冒険があった。『まわり道』には詩があった。現実を超えたなにかがあった。『パーフェクト・デイズ』にはいったい、なにがあったんだろうかと、わたしは映画館をでてからしばらく陰鬱な風のなかで咳きながら、しばらく街のなかで孤立していた。

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