鰓/あらい
 

 
静かに。ただの呼気と水準器の誤差
渇いた寝返り裏切り脈打つ午前二時の
 遠さ 。  遠さ。遠さ 。
還らない、還らない、還らない
  くる 、くる 、  くる 、
午前四時の皮膚片が死にきれずに
しかし溶けかけた包装紙になり果てる

読点が沈む。句点は浮く。鳥が一度だけ止まる
だからしずかに 傾ぐ。いや、そういうことではない
火種を選ばない背後から 「おまえは知らない」
ぬるく、ひらく、うそ。ねぇ それは
〈ひび割れた報酬を嗅ぐ、コバルトの獣〉
ヒンジから覗いた瀰漫の始祖たちが倒れている 
そこのそこのそこのほう (古びた玩具箱の
泡沫紀行はうなじのあたり
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