スローイング婆と食パンをついばむバードたち/菊西 夕座
をくすね具ァ具ァわめきちらすたびに、素老婆はみずからが迷える水鳥たちをみちびきコントロールしていることに優越感をおぼえ、ますます勢いをえて朝っぱらから流し台で粉砕してきた食パンを太陽にむかって投てきするのだった。もちろん冬の太陽は、いくら日差しが夏場にくらべて衰えたとはいえ、こんな発泡スチロールのカスみたいな餌をうけとる気は毛頭ないので、素浪婆のはた迷惑な存在ごと無視するわけであるが、そうなると行き場をうしなった細切れたちは、ちからない雨となって沼のほとりにむなしくちらばるしかなかった。だが却って冬の太陽にみはなされるという不遇が、浮かぶ瀬のない地上におちては真珠さながらの泡粒となり、それが風にふ
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