表現の動機について/由比良 倖
きたい、という強い衝動に駆られます。おそらくその表現は、普遍的なものだろう、という直感が僕にはあります。それは、共感を得る為、というよりは、他者が同様の経験を得る為の、道しるべのようなものになる、と僕は考えます。説明や解釈抜きの表現を、ふと理解……というより体験出来る瞬間が僕にも何度もありました。いくら説明されてもまるで理解出来ない詩や音楽が、あるとき突然、それらがまるで今の僕の経験をそのままなぞっているように、すらすらと理解出来ることがあります。ひとつの詩とは、ひとつの体験です。
あるいは僕は、今この瞬間にこそ「生命」がある、という瞬間を、殺したくないのかもしれません。僕自身にとっても、自ら
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