さんぜんとひとしずくのいっぱい/あらい
 
 曙光の銅版(えっちんぐ)

羅針盤のぶりき鳴きかげ(うつくしかろう!)指先に熟れる軽さが、声のかぎりに無底のようでいて、口に運ばれていく。垂直を知らぬまま/深度をかくして鼻腔にひりつき、何気ない角度が呼吸をおしつぶす、

では カタテマの詭弁
   光沢を帯びたフォグクレバスの深み
   ぜんやのだんしょうをおもいおこさせる

ただの装飾品だと苦み かがみみれば加減物で だれか番号とおくまでミツコクして 毎日そそがれていて、耳を包む あれら、遺言状のスれッカ裸子。ほかに瞬く 小さな水たまりは自身では。すそをひいて。かかとが触(ふ)れるざらつきと、背中を支える汗の匂い。
[次のページ]
戻る   Point(4)