久しぶりの日記/由比良 倖
 
しだけ開けた窓からは風が、カーテンを膨らませて、ふんわりと流れ込んでくる。石油ストーブは、酸素を薄くして、僕のいい気分を助長してくれる。

 11月は、まるまる調子が悪かったのだけど、英語の本は随分読んだし、実のところかなりたくさん書いた。……と書いていたら、たまたま斜向かいの家に救急車が来た。早速野次馬が四人集まってきて、わざわざ少し遠くから歩いてきた人もいて、救急隊員に話しかけたり、運ばれてきたお婆さんに声を掛けたりしていた。きっと遠巻きに見ていた人もいるんだろう。何かそう言うのって腹が立つなあ、と思う。見世物じゃないし、特に堂々と集まってきて、心配する振りをしながら、明らかに搬送の邪魔を
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