熊(ツキノワグマ)について/山人
。山を開墾し田や畑を作り、なかには山奥に隠し田を持つ者もおり、山では薪や炭のために木を伐っていた。特に炭焼きは、一か所木を切ると別な場所へと窯をつくりながら移動する。昔は多くの男達は炭焼きをし炭焼き銀座のような山道があちこち有った。そんな人気のある所に熊は出現せず、かなりの奥地へと押しやられ、生活していたのであろう。よって、熊の数は一定数以上多くならず、里に出る熊もいなかったのである。
高度成長期来、燃料は薪から化石燃料となり、炭焼きをやる人も失せた。加えて外国産パルプや用材は国産の三割の価格で取引され林業も廃れた。徐々に山に人が入らなくなった。おそらく一番ダメージがあったのは熊などの野生動物
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