3(ミ)/百(ももと読みます)
 
気持ちのよさでベンチに座ることができる。ベンチはひとつだけあって、ほとんど誰も座らないようだ。



 図書の返却に館内へと移動する前に感覚緩和のためのイヤマフや保護めがね、顔を覆うマスクなど、全てはずして、まる裸の気分となってから、ぼくはベンチに腰かける。



 ひとりぼっちでゆっくりと深呼吸できるのは、いつでも自然のながれを感じているとき。雲はずっと生まれている。かわいいし、そちらにはひとの気配を感じない。



 意識的に息をするでなく、心地よい風を吹かすこと。そんなセカイとならば心中してもいい。それでも、セカイは、ぼくを活かす。



 気持ちいい
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