たもつ『父の献立』鑑賞 /室町 礼
た。
たもつ氏の『父の献立』という詩を読んだとき
もわたしの宿命がもつ〈家族〉というもののわ
からなさゆえに、最初から穴があいたようにわ
からなかった。でも、なにか音楽性というかド
ラマ性というか、詩的な、うつくしさは感じた。
なので「わからない」その穴を、今回はめずら
しく埋めてみたい気になった。「わからない」
ということが実は批評の原点なのであると自分
でかってに納得させられればしめたものだと勝
手にほくそ笑んで、他の人にはあたりまえに理
解できるだろうこの詩をある意味、真の知的障
害者のわたしがほんの少し深堀りに鑑賞してみ
たくなったのだった。
『父の献立』に
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