宇宙の海の底/秋葉竹
 


ゆうたりと揺れている
バスタブの湯のなかに
ひとつの固形物を
ポチャンッ!
と入れる

おそらく
手首を切った腕を
湯のなかに入れると
こんな風に儚い美しさを
紡ぎだしてくれる

みたいな
さらさら
という音まで聴こえてきそうな
広がり方をする入浴剤

お湯をかき混ぜて
からだをそのなかに沈めてゆく

白昼の森林の木影で微睡んでいる快感
目を瞑ればかすかに聴こえる
水滴がどこかで落ちている音

目を開けないまま心地よさに身を委ねている

心が洗われると感じたとき
突然
君を抱きたいと目眩のように
クラクラとした幻惑
病的に熱に浮か
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