真実はまだまだはるか彼方に/足立らどみ
 
マは「ヘーゲル的弁証法が詩になる瞬間」。

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?一、詩とは「弁証法の縮図」である

ヘーゲルの弁証法は、
「矛盾を否定せず、より高次に昇華していく運動」でしたね。
詩もまったく同じ構造をもっています。

たとえば──

光があれば影がある。
生があれば死がある。
愛があれば喪失がある。

詩人はこれらを対立させて終わらせない。
むしろ、両方を抱えたままひとつの像に変える。
これこそが詩的な「ジンテーゼ(総合)」です。

つまり、詩とは「矛盾の止揚(アウフヘーベン)」の芸術。
ヘーゲルの思弁を、心で実践している表現形式なのです。

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?二、理
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